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ライフサイクルについて

組織やシステムには寿命というものがある。ビジネス用語でいえば、ライフサイクルがある。
一般的には、『創成期(設立期/導入期)⇒成長期(発展期)⇒成熟期⇒衰退期』、という4つの期間に分けて考えることが多い。それぞれの時期における目標や方向性、方針は大きく異なり、対策や戦略も変わってくる。逆に、このことを十分に理解しないで動こうとすると、目指す姿と現実とのギャップを引き起こしておかしなことになる。
企業の寿命はどんどん短くなってきている。変化が激しい故、ライフサイクルを回せなくなっているのが大きな要因ではなかろうか。成熟期において次のシーズを見出し、組織が自己改革をすることで新たな創成期にギアチェンジをする。これを怠れば滅んでしまうことは明白なことであり、古くから続く伝統店ではあたりまえのようにやってきた。
守るべきものと捨てるべきもの、変えてはいけないものと変えたほうが良いもの。創業者の信念や企業理念を徹底的に貫き、考え抜き、社会からのどのように受け止められるかを熟考しながら歩んできた企業が生き残る。
北海道融雪工業会が解散した。実に美しい解散の仕方である。
北海道の日本海側は雪の多い地方である。風も強い。札幌は都心ではあるが、吹雪くことさえある。札幌の街の近代史は明治以降に始まっており、京都や東京、大阪、名古屋とは比べ物にならないくらい浅い。しかし、厳しい自然を克服することではなく、共存することで街の歴史を積み重ねていった。特に戦後の発展期は、札幌の動きも激しかった。オリンピックや雪まつり、地下鉄開通、海外資本の呼び込みなど、日本の歴史を刻んでいった。
北海道融雪工業会の理念、動き方、そして解散にいたるまでの動き。実に見事である。
一方、ソフトウェア業界はどうなのか? ライフサイクルが短すぎるのか、それとも理念なき迷路に入っているのか?
「変化が激しい」「新技術の動向が速い」という言葉には惑わされてはいけない。
それは、今主流となっている技術の誕生日で考えてみれば一目瞭然である。
 C言語の誕生は? UNIXの誕生日は? Javaの誕生日は?
 クラスタの誕生日は? 分散DBの誕生日は?
加えて、メインフレームの進化スピードに目を向けなければならない。決して恐竜とか化石のような存在ではない。オープン系に比べると常に10年先を歩んでいる。今、オープン系で主流になっている技術のほとんどは、15年以上前からメインフレームでは当たり前として使われていた技術であり、完成度も高い。
ではなぜ化石として扱われているのか? 先進的な技術を操れるスキルとマインドを持った技術者いないからである。 要は素人には扱えない、プロフェッショナルを極めているのがメインフレームの世界である。
北海道融雪工業会は、平成21年6月末をもって解散することとなりました[北海道融雪工業会]

当会は創立以来満17年を経過しました。
 新しい技術や商品が世のなかに登場しますと、普及黎明期を過ぎて活発な普及時代を経て、やがては更新需要主体の鎮静安定期に入って行くのが極めで普通の現象であり、融雪設備についても、過去の約20年間にこれに類似した行程を辿ってきたと思われます。
 この17年間を振り返りますと、普及黎明期に期したところの当会の活動は次第に活発になり、今日にいたりほぼ充分に実行できたと考えられるようになり、活動力もこの行程に添うような足跡を残してきました。
  いま、この事実を謙虚に認識し、融雪市場や会員の動向などの周辺状況をも考えると、
当会の役割もほぼ遂行したという意見もお聴きできることもあり、名前を残すことにこだわらず、形骸化することを恐れ、会員の総意により勇断をもって解散することにしました。

ソフトウェア・情報システムはいつ「壊れる」か[みずほ情報総研]

日本情報システム・ユーザ協会(JUAS)が2008年に公開した「企業IT動向調査2008」(*3)によれば、ユーザ企業は現行の基幹業務システムの寿命を平均13.6ヵ年としている。一方で、JUASの別の研究プロジェクト(「ハード・ソフトの寿命検討プロジェクト」*4)の一環として実施した調査では、ITベンダ企業は「基幹業務システムのライフサイクルはほとんどが10年以下」と認識しており、ユーザ企業とベンダ企業の情報システム・ソフトウェアの寿命に対する認識には約4年の隔たりがある。
最近では仮想化技術、XaaS(PaaS・HaaS)/クラウドコンピューティングといった技術群の適用によって解決しようとする動きが顕著である。いずれもハードウェア、OS、ミドルウェア等といった他の製品群から、ソフトウェアの保守性に対する阻害要因を可能な限り除外し、ソフトウェアの信頼性、機能性や使用性を維持していくためには必須となる技術群である

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