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EVMは危険なツール

Boogie

EVM(Earned Value Management)に懐疑的です。
私が未熟だから、その意義わからないだけかもしれません。
でも、はっきり言ってEVMが嫌いです

■EVMはプロジェクトコストを可視化する救世主だ
■使いこなせば早い段階でスケジュールの遅れやコスト超過を検出できる
■EVMの分析結果(SPI/CPI)を活用してプロジェクトを是正する

これだけのことなら、EVMなんていらないじゃないですか。
プロジェクト管理をする上で、本当に必要なツールなのでしょうか?

■正確なWBSをつくり、作業者全員で合意する。
できれば作業者(当事者)がWBSを作ることが望ましい。
■レビュー作業や検証作業といった漏れがちなWBS項目をきちんと盛り込む。
■所要時間やロスタイムを考慮しガントチャートを作成する。
■マイルストーンを設定して、メンバー全体で進捗状況や品質に対する認識を
あわせる機会を定期的に作る。

可視化するにはこれだけで良いように感じます。

私がEVMを嫌いである最大の理由は、EVMというツールを使うと、人が人でなくなるからです。
稚拙な算数で数値をこねくり回し、CPIだかSPIだか、もっともらしい指標を求めることが本当に”可視化”でしょうか?

EVとACの差ばかりを気にしてどうなるのでしょうか? コストやリスク管理のパラメータをすべてEVMに乗せられるのでしょうか?

数値の意味と変動を敏感に読みとって対応を見極める? 機械精度を測るのではないのです。
人間のアクティビティを評価するのは、人間のきめ細やかなセンサーしかないのです。

たとえば、あなたの周りでこのような弊害が発生していないでしょうか。

・数値が一人歩きしますので、メンバー差別が必ず起きます
・進捗会議が数値確認に終始して、遅延原因や問題点の議論が薄くなった
・集合体になればグループやメーカー差別につながります
・EVMにはレビューという点を盛り込むことが難しく、極めて不公正
・面倒な人間同士のかかわりを排除しています(コミュニケーション放棄)
・メンバーのモチベーションが低下した

PMI(PMBOK)の精神を振り返ってみましょう。

プロジェクトマネージメントの80%以上がコミュニケーションだ。

その通りです。

プロジェクトは教訓を残さなくてはならない。

その通りです。

プロジェクトを通して人材を育成することはPMの使命でもある。

その通りです。

うそ発見機では人間の良心が図れないのと同様に、EVMではプロジェクトにおいて最も重要な指標である”モチベーション”を図ることはできません

EVMを活用する環境と管理者側の意識を高めなければ、今のままでは害ばかりではないでしょうか。だからといってEVMを無視することはナンセンスです。もっともっと勉強して、この強力で有用なツールを使いこなすための努力を続けることが、私たちに求められていることだと思います。

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